倫理観を揺さぶる『愛妻弁当は不倫に含まれますか?【タテヨミ】』を読んだ感想

ヒューマンドラマ

「愛妻弁当は不倫に含まれますか?【タテヨミ】」のタイトルが問いかけるもの

ねえ、みんな、ちょっと考えてみてよ。「愛妻弁当は不倫に含まれますか?」このタイトル、正直、見た瞬間に「は?どういうこと?」って釘付けになっちゃったんです。いや、普通に考えたら含まれるわけないじゃんって思うよね。でも、この疑問がタイトルになるってことは、その裏に何かドロドロした事情があるに違いない、と。それが知りたくて、私はこの【タテヨミ】作品を読み始めたわけです。

ジャンルはヒューマンドラマ。この手の作品って、表面的なドロドロだけじゃなく、人間の心の奥底に潜む感情とか、葛藤とかを丁寧に描いてくれるから結構好きなんです。特に、現代社会における曖昧な倫理観とか、価値観のズレみたいなテーマは、誰しもが共感できる部分があるんじゃないかなって。だから、今回も期待値は高めでした。というか、このタイトルで期待しない方が無理でしょ。一体どんな「弁当」なんだよ、と。その好奇心が、読む手を止めませんでしたね。

日常に潜むモヤモヤ、その倫理観のグラデーション

さて、肝心の内容なんだけど、やっぱり想像通り、いや、想像以上に「それ、どこからが不倫なの?」っていうグレーゾーンをえぐってくる物語でした。主人公たちの置かれた状況が、まあ、なんとも言えない。たとえば、職場で異性の同僚に手作りの料理を差し入れするって行為。それが「愛妻弁当」の域に達しちゃったら、それはもうアウトなの?みたいなね。最初は「いやいや、普通に親切なだけじゃん」って思ってたんですよ、私も。でも、物語が進むにつれて、登場人物たちの微妙な視線とか、隠しきれない感情が描かれていくと、あれ?これって危なくない?って思わず前のめりになってしまいました。作中の描写が、結構じわじわと来るんですよね。

夫婦関係って、本当に繊細じゃないですか。ちょっとしたボタンの掛け違いで、大きな溝ができちゃうことだってある。この作品は、その「ちょっとした」部分を、徹底的に深掘りしているように感じました。特に、言葉にしない感情、態度で示す本音、みたいなものが、作画の表情や視線でしっかり表現されていて、正直、胃がキリキリするシーンも結構ありましたね。あのキャラクターの言い分もわかるし、このキャラクターの苦悩も理解できる。正解がないからこそ、余計にモヤモヤするし、考えさせられる。そんなグラデーションのような倫理観が、この作品の核になってるな、と強く感じました。日本では、食事の世話というのはかなり親密な関係を示す行動の一つだから、そこをタイトルで突いてくるのは本当にうまいな、と個人的には思います。誰のための弁当なのか、誰に作ってもらっているのか。その「誰」が、本来の家族関係から逸脱している状況を、こんなにも生々しく見せつけられるとは。

この物語の面白いところは、誰か一人が明確に「悪」として描かれているわけじゃない点ですね。登場人物それぞれが、それぞれの正義とか、都合とか、そういうものを抱えて行動している。だからこそ、読者としては「どっちの味方につけばいいんだ?」って迷うし、自分だったらどうするかな、って問いかけられるんです。特に、家庭がある身として読むと、色々な感情が去来しました。もし自分の夫が、もし自分の妻が、あの状況だったら…って。そういう読後感は、まさにヒューマンドラマの醍醐味ですよね。

タテヨミ形式だからこそ感じる、じわじわくる臨場感

そして、【タテヨミ】形式であることも、この作品の魅力を引き上げてる要因の一つだと思うんです。スマホでスクロールしながら読むわけですけど、この形式って、コマ割りというか、演出のタイミングが絶妙なんですよ。例えば、衝撃的なセリフがドンと画面いっぱいに表示されたり、キャラクターの心情を表すように背景が変化したり。あの見せ方は、紙媒体の漫画じゃなかなか味わえない独特の臨場感があります。特に、登場人物の表情のアップとか、視線の動きとかが、画面をスクロールするごとに切り替わっていくと、感情がダイレクトに伝わってきて、正直、鳥肌が立つ瞬間もありました。

一つのセリフが、画面下からじわじわと現れるような演出も、物語の緊張感を高めてくれます。あのスクロール中にふと現れる一言が、思わずゾクッとくるんですよね。タテヨミ形式は、コマとコマの間の情報量をコントロールしやすいから、読者が想像する余白や、感情が盛り上がるまでの「間」を繊細に操れるのが強みですよね。だから、私はこの手の心理戦のような作品とタテヨミ形式の相性は結構いいんじゃないかと思いました。読者を物語の世界にグッと引き込む力があるというか。通勤電車の中とか、ちょっとした休憩時間にサクッと読めるのに、その内容の濃さに驚かされる、そんな体験でしたね。

作画については、MUGEN FACTORY・猫野ゆきち/白水汰一/堀越有紗さんが担当されているとのことですが、全体的に登場人物の表情がすごく豊かで、内面の葛藤や秘めた感情が伝わってくる絵柄でした。特に、目を伏せた時の睫毛の描写とか、口元の微妙な歪みとか、本当に細かい部分まで気が配られているな、と。だからこそ、セリフが少なくても、絵だけで物語が語られているような感覚がありました。こういう絵柄って、ストーリーの重厚感を支える上でめちゃくちゃ重要だなって改めて感じますね。この作品の絵は、登場人物の心の動きを雄弁に物語っていましたよ。

キャラクターたちのリアルな心理描写は悪くない。でも、もう少し…

この作品、人間関係の複雑さや心理描写は確かに悪くないんです。むしろ、かなり深く描かれている方だと思います。だけど、正直なところ、物語全体を通して、もう一歩踏み込んで欲しかったな、と感じる部分も正直ありました。例えば、特定のキャラクター、特に主人公の配偶者側の心情が、もう少しだけ深掘りされていたら、もっと感情移入できたかもしれない、とか。現状でも十分にリアリティはあるんですけど、たまに「なんでそこまで?」って疑問に感じる行動もあったりして。

でも、たぶん、それこそがこの作品の狙いなのかもしれません。完全に理解させず、読者に考えさせる余白を残す、というか。だとしても、私個人としては、もう少しだけ感情移入のフックが欲しかった、というのが正直な感想です。特に、あのラストシーンは、もう少し別の視点からの描写があったら、より心に響いたんじゃないかな、と個人的には思っています。あくまで個人の感想だけどね。いや、このタイプの作品って、本当に読者の解釈に委ねられる部分が大きいから、もしかしたら他の人は全く違う感想を持つかもしれない。それがまた面白いところでもあるんですけどね。

あとは、タテヨミ形式ならではの演出の癖というか、少しだけ「間延び」を感じるシーンもあった気がします。もちろん、それはタテヨミの特性でもあるんですけど、例えば重要な会話の直前の無音のコマが、スマホのスクロールだと長く感じられて、集中力が途切れそうになる瞬間が何度かあったのは、ちょっと惜しいポイントかな。でも、全体としては、とても丁寧に作られている作品だという印象は変わりません。特に、あの感情の揺らぎを表現する絵の力はすごかった。読み終わった後も、しばらく「愛妻弁当」という言葉に、別の意味合いを感じてしまいそうでした。

最終的な読後感と、私が感じたこの作品の可能性

読み終えてみて、改めて「愛妻弁当は不倫に含まれますか?【タテヨミ】」というタイトルが、どれだけ深い問いかけを含んでいたかを痛感しました。不倫という言葉の定義自体が、人それぞれ違うのかもしれない。そして、どこからがアウトで、どこまでがセーフなのか、その境界線はグラデーションのように曖昧だということを、この作品は教えてくれます。一つの行動が、誰かにとってはただの親切でも、別の人にとっては裏切りになりうる。そんな人間の複雑な感情や関係性を、改めて見つめ直すきっかけを与えてくれる漫画でした。

私自身、普段あまり深く考えないような日常の行為に、こんなにも多くの解釈や感情が潜んでいるのか、と驚かされましたね。この作品は、単なるドロドロした不倫話として消費されるだけじゃなくて、もっと普遍的な人間関係の倫理や価値観について深く考える材料を提供していると思います。だから、もしあなたが、ちょっとモヤっとするような、考えさせられるヒューマンドラマが好きなら、一度読んでみる価値はあるかもしれません。色々な意味で、「正解」を一つに定められない、そんな作品でした。いや、マジで。このテーマをタテヨミで表現する試み自体、悪くないどころか、かなり攻めてるなと。MUGEN FACTORY・猫野ゆきち/白水汰一/堀越有紗さんたちの名前は、このタイトルと一緒にしっかり記憶に残りましたね。これからの作品にも期待しています。今回はこれで終わりだけど、また別の作品で会えたら嬉しいな。それじゃ、またね!

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