PANTHEON、神話の扉を開いてみれば…あれ、ファミリー?
正直、最初に「PANTHEON」っていうタイトルを見た時、「うわ、来たか!壮大な神話バトルロイヤルか、はたまた神々が織りなす大叙事詩か!」って鼻息荒くしちゃったんですよ、私。でも、ジャンルが「ファミリー」って知って、「え、まさかの神々の日常系?」と二度見しましたね。MarioLong先生の作品ってことで、絵柄の美しさや迫力は約束されてるだろうけど、ファミリーって一体どうなるんだ?っていうのが正直な最初の感想でした。
で、読み始めたらですね…これがまた、想像の斜め上を行く展開で、「神々の家族、めっちゃ人間くさいじゃん!」って思わず声が出ちゃいました。PANTHEON、直訳すれば「万神殿」とか「神殿」ですけど、この漫画はまさに「神々の家庭」そのもの。天界の頂に君臨するはずの神々が、地球の片隅にひっそり暮らす一軒家(と見せかけた超次元空間)で、まさか食卓のメニューで喧嘩してるとは。初っ端から、私の神話に対する固定観念は見事に打ち砕かれましたね。
日常に潜む神々の苦悩と喜び
本作の主人公格となるのは、絶対神ゼウス(のような存在)とその妻ヘラ(のような存在)、そして個性豊かな神の子供たち、そしてなぜか居候してる半神の思春期少年、というメンバー。これがもう、どこにでもいそうな「ちょっと面倒くさいけど愛しい家族」の縮図なんですよ。
例えば、長男の太陽神アポロン(仮称)が、人間界のアイドル活動に夢中で、天界の祭祀をサボりがちで、父神に雷を落とされそうになるシーン。もう「いつの時代も親と子の悩みは変わらんな…」って思いました。私自身も「早く部屋片付けなさい!」って言われてた身なので、アポロンの「だって今、人間界で大事なライブが…!」っていう言い訳、すごくよくわかる。父神が「その”ライブ”とやらのせいで天候が荒れて人間界は大騒ぎなんだぞ!」って怒鳴る姿も、なんか普通の親父なんですよね。雷を落とすのが得意技っていうだけで、やってることは親父の小言。そのギャップが最高に笑えるんです。
かと思えば、母なる女神ヘラ(仮称)が、思春期の娘(美の女神アフロディーテ的な存在)の恋愛相談に乗ってる場面とか。「あのね、相手が人間の子であろうと、あなたの気持ちは本物よ。でも、神と人間には寿命の壁があるからね…」って、すごく優しく諭すんです。このシーン、思わず「私もこういう母が欲しかった!」って心の中で叫びました。神々だって、というか神々だからこそ、抱える悩みは深いというか、スケールが大きい。でも、その根底にあるのは、私たち人間と全く同じ「家族を想う気持ち」なんだなって。
MarioLong氏の画力とストーリーテリングの妙
MarioLong先生の絵は、相変わらず力強さの中にどこか優しさが宿っていて、特にキャラクターの表情がすごい。神々としての威厳を保ちつつも、「あー、今ちょっと人間的に困ってるな」とか「この人、今、完全に親バカの顔してるな」っていうのが、一瞬の表情のアップで伝わってくるんです。そういうところが、読者(私)が彼らに感情移入しやすい理由なんだと思います。
ストーリーテリングも、「最初はコミカルな日常で笑わせておいて、気づいたら家族の絆の深さにホロッとさせる」っていうのが本当に上手い。正直、中盤までは「これで本当に2000字以上書けるのか?」って心配になるくらい、とっ散らかった神々のドタバタ劇が続いてたんですけど、そこから少しずつ「家族」というテーマが浮き彫りになっていくんです。
あるエピソードでは、天界に危機が訪れ、神々がその力を結集するんですけど、その危機を乗り越える原動力になるのが、結局は家族一人ひとりの「守りたいもの」に対する思いなんですよ。父神は家族の平穏を、母神は子供たちの未来を、そして子供たちはそれぞれの夢や人間界との繋がりを守ろうとする。神々の能力バトルというよりは、「家族会議の延長で世界を救う」みたいなノリで、それがPANTHEONならではの魅力なんだなって感じましたね。
少しだけ、物足りなかった点も正直に
とは言え、全てが完璧だったかというと、正直ちょっと惜しいな、と感じる部分もありました。特に、物語の後半で人間界との関わりが急に深まるエピソードは、もう少し序盤から伏線を張ってくれたら、もっとスムーズに感情移入できたかな、と。悪くはないんですよ、悪くは。神と人間という異種間の交流自体は面白いんですけど、そこに至るまでの導入が若干唐突だった気がしないでもない。そこが、もう一段階丁寧に描かれていたら、感動も倍増したんじゃないかって、個人的には思いましたね。
あと、居候の半神少年の存在感。彼は物語のキーパーソンとなるんですけど、序盤はただのツッコミ役、みたいな立ち位置で終わっちゃってるのがちょっと勿体なかったかな。彼の視点から神々の世界を描くことで、もっと異文化交流的な面白さが出せたはず。だから、もう少し早い段階で彼の出自や目的を明確にしてくれたら、物語の深みが増しただろうな、というのが正直な感想です。
でも、そういうちょっとした「惜しい」があったからこそ、逆に「完璧すぎない、手の届く神々」として親近感が湧いた、という側面も否定できません。全部が全部、神々しくて偉大だと、私たちは共感できないですからね。「ああ、神様でもこういう失敗するんだ」っていう安心感、これはこれで大事だったのかもしれない。
PANTHEONが問いかける「家族」の姿
この漫画を通じて、MarioLong先生は現代における「家族」のあり方を問いかけているんじゃないかな、って勝手に解釈してます。血の繋がりだけじゃない、共に過ごす時間や経験、そしてお互いを思いやる気持ちが、家族の形を作るんだ、っていうメッセージが随所に散りばめられてる気がしましたね。天界の神々も、地上を生きる私たちも、結局は同じような悩みを抱え、同じような喜びを感じるんだ、という。世代間のギャップ、それぞれの役割、個性の尊重…全部がこの「神々のファミリー」の中に凝縮されているんです。
親である神が子供の成長を見守り、時には厳しく、時には優しく導く。子供たちは親の背中を見ながら、あるいは反発しながら自分たちの道を切り拓く。その過程で生まれる軋轢や葛藤も、結局は家族愛の裏返しなんだなって。「みんな、なんだかんだで家族が好きなんだよな」っていうのが、読んでてじんわり伝わってくる温かさがあります。
だから、この作品はただのコメディとかファンタジーじゃなくて、ちょっと人生について考えさせられる部分もある。「うちの家族も、神様家族と一緒で、わちゃわちゃしてるけど、これがあるから毎日楽しいんだろうな」って思いましたね。
まとめ:神々の日常に癒される一本
PANTHEONは、壮大なタイトルとは裏腹に、とても親しみやすい「ファミリー」漫画でした。神々が織りなすドタバタ劇に笑い、彼らが抱える人間味あふれる悩みに共感し、最終的には家族の温かさに感動させられる。そんな作品です。MarioLong先生の描く、美しくもどこかコミカルな神々の姿は、一度見たら忘れられないと思います。個人的には、もっと彼らの日常が見たい。続編が出たら速攻で買いに走っちゃうだろうな、ってくらいには、愛着が湧きました。
完璧な作品、とまでは言わないけれど、間違いなく心に残る一作。特に、最近ちょっと家族関係で悩んでるな〜とか、なんだか日常に疲れてるな〜って人に、実はひっそりおすすめしたい気分になる作品。神々の世界を覗き見して、自分の家族を見つめ直すきっかけになるかもしれませんよ。まあ、ならないかもしれないけど、少なくともクスッと笑える時間にはなるはず。
\ お得に読むならこちら /


コメント