女子サッカーのリアル、そこにあった熱いドラマ
いやー、ぶっちゃけ最初「さよなら私のクラマー」って聞いた時、「あ、新川直司先生の新作か。また青春モノか、悪くないじゃん」くらいの軽いノリだったんすよ。前作の『四月は君の嘘』も好きだったから、まあ読むかー、って。でも、実際に読み始めたら、これがもう、なんか僕の想像してたのとちょっと違う、もっと泥臭くて熱い物語で。正直、かなり引き込まれちゃいましたね。
この漫画、女子サッカーがテーマなんだけど、ただ可愛い女の子たちがボールを蹴ってるだけじゃないんです。もちろん、新川先生の描く女の子は表情豊かでめちゃくちゃ魅力的。それは間違いない。でも、それ以上に彼女たちの内面、葛藤、そしてサッカーにかける情熱が、もうページから溢れ出てくるんですよ。
恩田希の「孤高の天才」感がたまらない
主人公の恩田希、これがまたすごい。男子の中に混じってサッカーしてた中学時代から、その才能は抜きん出てた。でも、女子のチームに入って、最初は「なんか違う」って感じてるんです。この違和感とか、周りとのズレを抱えながらも、自分のサッカーを貫こうとする希の姿に、思わず「分かる〜!」って共感したんすよ。いや、僕自身が天才肌だったとかそんなこと全然ないですけど、自分の道を信じて進むって、見てて気持ちいいじゃないですか。
特に印象的だったのが、希が新しいチームメイトたちとどう関わっていくか、その過程。最初は孤立してるように見えても、ボールを蹴ることで繋がっていく。言葉じゃなくてプレーで語るっていうのが、スポーツ漫画の醍醐味ですよね。彼女のプレイスタイル、見る人を惹きつけるあの独特な動き。あれ、実際再現できる選手いるんすかね?って本気で考えちゃった。
チームメイトたちの泥臭い青春と成長
クラマーって、希だけじゃなくて、チームメイト一人ひとりの物語もしっかり描かれてるのが素晴らしいんですよね。絶対的なエースを目指す「曽志崎緑」とか、努力家でチームを支える「周防すみれ」。みんなそれぞれに悩みがあって、壁にぶつかって、それでも仲間と一緒に乗り越えようとする。こういう群像劇、僕は大好きなんです。
特に、試合中のピンチの時とか、誰かがミスしちゃった時とか、そこでの声かけとか、お互いを信じる気持ちが描かれるシーン。あれ、思わずグッとくるんですよ。スポーツ漫画って、勝敗だけじゃなくて、その過程にある人間ドラマが肝じゃないですか。この作品は、その人間ドラマをめちゃくちゃ丁寧に描いてる。僕がもし監督だったら、たぶん泣いてる。選手たちの成長を目の当たりにするたびに、なんか「青春っていいなあ」って、おっさんみたいなこと思っちゃいましたよ。
試合の戦術描写は悪くない、けどもう少し欲しい部分も
試合の描写、もちろん迫力満点です。新川先生の絵の力もあって、スピード感とか、ボールの軌道とか、すごく伝わってくる。パスワークとか、ディフェンスラインの上げ下げとか、女子サッカー特有の駆け引きも悪くないんですよね。ちゃんと戦術的な動きも描かれてる。見てて「なるほど、こう動くのか!」ってなる瞬間もたくさんあったし。
でも、正直な話、もう少し試合の展開にハラハラドキドキ感が欲しかったなって思う部分もあったんすよね。なんか、もう一歩踏み込んだ、誰もが予想できないような奇抜な作戦とか、ギリギリの采配とか。いや、決して悪くないんですよ? むしろ丁寧で分かりやすい。でも、「うおおお!ここでこれ来たか!」みたいな、鳥肌が立つようなサプライズがもう少しあったら、個人的にはもっと最高だったなと。これは完全に僕の好みの問題なんですけどね。だから、そこは惜しいな、って。
「新川直司節」は健在、だけど新しい挑戦も感じる
新川先生らしい、あの独特な感情表現とか、青春の甘酸っぱい雰囲気は今回も健在でしたね。キャラクターの表情、特に葛藤してる時の顔とか、本当に素晴らしい。読んでて「あ、この表情、めちゃくちゃ新川先生だ!」ってニヤニヤしちゃいましたもん。
ただ、今回は『四月は君の嘘』のような音楽を軸にした芸術的な物語とはまた違って、より泥臭い「スポーツ」というテーマに真正面からぶつかってる感じがしました。それが新しい挑戦なんだなって。個人的には、この作品で女子サッカーの魅力に改めて気づかされたというか、今まであんまり目を向けてなかったジャンルだったから、視野が広がった気がします。だから、そういう意味では、僕の中では結構ポイント高かった。
結局、「さよなら私のクラマー」は読むべきか?
結論から言うと、この「さよなら私のクラマー」、読んで損はないです。青春スポ根モノが好きなら絶対ハマるし、女子サッカーに興味がある人も、そうじゃない人も、彼女たちの熱い情熱にきっと胸を打たれるはず。僕は読み終わった後、しばらく余韻に浸っちゃいましたもん。なんか、清々しい気持ちになったというか、自分も何か頑張ろうかなって思えるような、そんな力をもらえる作品でしたね。
サッカーの専門的な知識がなくても全然楽しめるし、むしろ彼女たちの人間ドラマに焦点を当てて読んでいくと、もっと深く楽しめるんじゃないかな。もちろん、若干「もう少しこうだったらな」って個人的な意見もあったけど、全体を通して見れば、かなり満足度高かったです。悪くないどころか、良い!って言える作品でした。僕ももう一回読み返そうかな、と思ってるくらいです。
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