「Subでも君に愛されたい【単行本版】」を読んで、私なりの愛を語ってみた話
いやー、このタイトルを見た瞬間、正直「来た!」って思いましたね。「Subでも君に愛されたい【単行本版】」。BLコミックは星の数ほどあれど、ここまでストレートに、かつ深い関係性を匂わせるタイトルって、なかなかお目にかかれないんじゃないかな。しかも「【単行本版】」ってことは、ウェブ連載とかを経て、満を持して世に出たってことじゃないですか。これはもう、読む前から期待値爆上がり。どんな愛の形が描かれているのか、私のハートは完全に鷲掴みにされましたよ。ええ、掴まれました、自ら掴まれに行きました。
SubmissiveとDominant、通称Sub/Domの関係性って、一般的には少し特殊なものとして捉えられがちですよね。私も最初は「どこまで踏み込むんだろう?」って、ある意味身構えながら読み始めたんです。でも、ページをめくるごとに、そこに描かれているのは、究極の「愛されたい」という普遍的な願望なんだなって強く感じさせられました。支配されることで安心感を覚えたり、あるいは相手を支配することで、その存在の全てを深く受け止めたいと願ったり。それは、常識的な枠には収まらないかもしれないけど、まぎれもなく、熱のこもった愛情表現の一つなんだなって。正直、こういうテーマって、描き方を間違えるとただの刺激物になりがちじゃないですか。でも、御々先生は、そのギリギリのラインを攻めつつ、ちゃんと人間の心の奥底にある感情を描き切っていて、ただただ感心しましたね。
この作品の魅力の一つは、やっぱり登場人物の心模様の深さにあると思います。メインの二人のキャラクター、彼らの内面が本当に細かく描かれているんですよ。Subの彼は、きっと過去に何かがあって、自己肯定感がものすごく低いんだろうなって。だからこそ、誰かに全てを委ねることで、自分の存在意義を見出そうとしているように見えました。でも、それって、すごく脆くて危うい愛の形でもあるじゃないですか。一方、Domの彼も、ただ一方的に支配したいだけじゃない。むしろ、Subの彼のその脆さや弱さごと、全てを包み込んで愛したいと願っているんだなって、読んでいてひしひしと伝わってくるんです。この二人の心の動きが、なんていうか、妙にリアルなんですよ。感情移入しやすいかどうかは、個人の経験や価値観によるだろうけど、彼らが抱える孤独とか、愛への渇望は、多くの人が心のどこかで共感できる部分があるんじゃないかな。特に、Subの彼が「愛されてる」と実感する瞬間の表情とか、たまらないですよ。思わず私も彼の肩を抱きしめたくなりました。
Sub/Domの関係性って、常に不安定なバランスの上に成り立っているからこそ、少しの変化で大きく揺らぎますよね。この作品では、彼らがその関係性の中でどのように成長していくのか、どう葛藤し、どう乗り越えていくのかが描かれていました。というか、乗り越えていく過程が、もうハラハラドキドキで。正直、もう少し二人の関係の「始まり」の部分、どうやってSub/Domの関係になったのか、その出会いをもっと丁寧に描いてほしかったなって思う場面はありましたね。なんか、いきなり物語の本丸に飛び込んだ感じがして、ちょっと説明不足に感じる人もいるかもしれない。そこは、私の個人的な好みで、もう少し前段階の描写が欲しかったなってところ。でも、それがかえって読者の想像力を掻き立てる要素になっているとも言えるのかな。微妙なラインですけど、そこが「もっと知りたい!」って思わせるフックになってるのかも。
この作品が提示する「愛」って、一般的なそれとは全然違うし、もしかしたら人によっては理解しがたい、あるいは受け入れがたいものかもしれません。でも、だからこそ、深く考えさせられるんですよね。愛って、結局はどこまで相手を受け入れられるか、そしてどこまで相手に自分を委ねられるかっていうことの究極の形なんじゃないかって。このシーン、Domの彼がSubの彼に語りかける言葉が、本当に心に響きました。「お前が俺に愛されたいなら、俺はその全てを受け止めてやる。どんな醜い感情も、全部俺にぶつけろ」みたいなセリフがあったんですけど、あれは、たとえDom/Subの関係性じゃなくても、誰もが「そんな風に愛されたい」って心の奥底で願う瞬間なんじゃないかな。あのセリフ、本当に強烈で、思わず読み返しましたもん。言葉一つ一つに重みがあって、キャラクターの感情がダイレクトに伝わってきました。
全体的にはすごく楽しめた作品なんですけど、惜しかった点もいくつかありますね。やっぱり、作中で描かれるエピソードの中には、もう少し展開に捻りが欲しかったな、と感じるものも正直ありました。特に後半のあるシーンは、物語の本筋から少しズレているように感じて、個人的には蛇足かなって思ったんです。もちろん、作者がそのシーンを入れた意図は理解できるんですけど、物語全体のテンポを考えると、もう少しコンパクトでも良かった気がしますね。とはいえ、この「Subでも君に愛されたい【単行本版】」は、ただの恋愛漫画として片付けられない、奥深いテーマを扱っているのは間違いないです。悪くないどころか、かなり引き込まれる作品でした。愛の形について、改めて考えさせてくれる、そんな一冊でしたね。
この漫画を読み終わった後、なんだか心がざわついたまま、色々なことを考えさせられました。一般的な恋愛の枠には到底収まらないけど、そこにあるのは間違いなく「愛」の感情。御々先生、この複雑で、時に歪んで見える世界を、こんなにも丁寧に、そして熱く描いてくれてありがとう、って言いたくなります。きっと、読む人によって色々な解釈が生まれるだろうし、賛否両論あるかもしれない。でも、それも含めて、この作品は多くの人の心に何かを残すはずです。あなたの「愛されたい」という願いが、こんなにも激しく、そして美しく描かれるとはね。個人的には、もう一度じっくり読み返して、新たな発見をしたいなと思ってます。
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